ゲームプランナーに必要な3つの資格とは
ゲームプランナーは新作ゲームの企画からリリースまでのすべての工程に関わる仕事です。市場やファンのニーズ、トレンドを元に、プロデューサー、ディレクターの意見を取り入れて企画を立て、キャラクターやルールなど、詳細を記した仕様書を作成します。プロジェクトを進める際には、自らが作成した仕様書を元に、デザイナー、プログラマー、シナリオライターらの仕事の進捗状況を確認しながらサポートする司令塔のような役割です。ゲームをリリースした後も仕事は終わりません。ゲームのリリース後は運用がスムーズに行われているかを確認し、行われていない場合は対応を指示したり、次回施策のための分析、企画を行ったりします。
こうした業務内容を元に考えると、ゲームプランナーにはゲームに関する専門的な知識はもちろん、高いコミュニケーション力や分析能力、企画提案のスキルなどが求められることが分かるでしょう。特に、担当者の取りまとめを主に担うリードプランナーになると、マネジメントやプロジェクト管理の考え方を身につけていることが重要になります。ゲームプランナーになるために必須の資格はありませんが、資格取得の勉強をすることはゲームプランナーに求められる能力を身につけるために役立ちます。中でも、「MOS(Microsoft Office Specialist)Excelエキスパート」「統計検定3級」「Oracle master Bronze DBA」は、ゲームプランナーの業務に関連しています。
働き始めて2~3年目までのゲームプランナーが持っておきたいスキルを得ることができるので、「ゲームプランナーになりたい」「ゲームプランナーとしてのスキルをアップしたい」と考えているのなら、まずこの3つの資格から勉強を始めてみるとよいでしょう。
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世界的に通用する「MOS(Microsoft Office Specialist)Excelエキスパート」
MOS(Microsoft Office Specialist)は、マイクロソフト社が認定する国際的な資格です。世界で使われているマイクロソフト製品の操作スキルを証明するものなので、世界的に通用する資格と言っても過言ではありません。Word、Excel、Power Point、Access、Outlookの5科目があり、科目ごとに受験することができます。中でも人気なのは、利用者の多いExcelとWordです。難易度は、それぞれ一般レベルの「スペシャリスト」と上級レベルの「エキスパート」の2段階があります。さらに、マイクロソフトオフィスのバージョンによっても「365&2019年版」「2016年版」「2013年版」といったふうに種類が異なります。
「Excel365&2019エキスパート(上級)」の出題範囲は「ブックのオプションと設定の管理」「データの管理、書式設定」「高度な機能を使用した数式およびマクロの作成」「高度な機能を使用したグラフやテーブルの管理」です。高度な機能を使用した数式やグラフに関する問題、関数を用いた論理演算の問題が出題される点が特徴といえるでしょう。一般業務向きのスペシャリスト資格と比べると、より業務の効率化に役立つ内容が含まれます。試験は、各試験会場に用意されたパソコンで操作を行う実技試験で、筆記試験はなく、年齢や国籍、経験を問わず誰でも受験することができます。MOSの合格率は非公開ですが、難易度はあまり高くありません。エキスパートの合格率は60%程度だといわれています。偏差値50程度の試験で、独学での取得も可能です。
ゲームプランナーの仕事の大部分は資料の作成で、Excelを操作する機会も多いです。後から情報を整理して、比較検討しやすい資料を作るためにExcelの高度な操作スキルを持っていることが役立ちます。企画の具体的な内容を練る際にも、Excel(またはGoogleスプレッドシート)でマスターデータを作成することが一般的です。最近ではほとんどの会社でGoogleスプレッドシートを利用しており、Excelの操作技能を生かせる場は広がっています。Excelでのショートカットやよく利用する関数など、基礎を身に着けることは最低条件です。MOSのExcelエキスパートを取得して効率的に業務を行えるスキルを身につけることが強みになります。
統計分析の論理的思考や基礎知識が身につく「統計検定3級」
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する試験です。3級では、大学で学問を学ぶ際に必要とされる統計的に正しく推論する力の有無が問われます。試験内容は、統計リテラシーと統計的推論です。具体的には、データの種類、統計グラフとデータの集計、データの散らばりの指標、確率分布、統計的な推測などがあります。3級の試験は4級の内容を理解しているものとして出題されますが、4級は小中学生レベルの内容なので受験していなくても大きな問題ではありません。ただし、統計に初めて触れる場合は復習がてら4級の問題に触れておくとスムーズに3級の勉強に入れます。
統計検定は1~4級まであり、下から2番目のレベルである3級の難易度はそれほど高くないといえるでしょう。合格ラインは正答率7割程度です。高校生や大学生の受験生が多く、合格率は60~70%を推移しています。受験に年齢や国籍、学歴などの要件はないため、誰でもチャレンジすることが可能。高校数学の知識を使って解く問題が出題されるため、この箇所の知識がある人なら独学でも勉強を進めることができるでしょう。
ゲームプランナーは自らの企画や運用実績を定量的に説明する必要があります。主観的な感情で説明するよりも客観的なデータで論理的に説明する方が説得力はあるからです。特に収益性はゲーム開発において重要なポイントであり、オンラインゲームのアクセス数や課金率と収益との相関関係を説明する際にも統計の知識は役立ちます。統計検定3級では、平均値、中央値、最頻値といったデータの代表値についての問題がよく出題されますが、こうした語彙や意味を知ってデータを適切に説明することがゲームプランナーには求められます。統計を扱う専門家であるデータアナリストのように、分析に特化したスキル・知識を磨く必要がありません。統計分析の論理的思考や用語を理解しておくことが大切です。


データベースの知識を得るなら「Oracle master Bronze DBA」
Oracle master(オラクルマスター)とは、日本オラクル社が運営している「Oracle Database」の操作能力を認定する資格で、データベースの管理、運用、データベース言語であるSQLを書く能力について評価します。SQLはISOで規格が標準化されており、ほかのデータベースでも使うことが可能です。そのため、データベースの運用に関わる人は学んでおきたい言語といえるでしょう。Oracle Databaseは長年にわたって世界トップクラスのシェア率を維持しており、Oracle Database の操作能力を評価するOracle master を取得していることは、データベースについての一定の知識を有している証明になります。
Oracle masterは、エントリーレベル向けのBronzeから上級レベルのExpertまで6つのカテゴリに分けられており、ゲームプランナーとして基礎知識を持っておきたいのなら、まずはBronzeを取得しておくとよいでしょう。試験勉強を通して、データベースの運用に関わるRDBやSQLの基礎知識が身につくことも大きなメリットです。Oracle master Bronze DBAはデータベース管理者(DBA)が管理業務を行ううえで必要な最低限の知識を認定するものです。具体的には、データベースの作成や運用保守、削除操作などを確認します。Oracle masterの中では最も低いレベルですが、Oracle製品を使ったことがない人にとっては難しい内容といえます。合格ラインは正答率65%です。合格率や合格者数、受験者数は非公開ですが、日本国内のOracle master全カテゴリの合格者数は2020年10月時点で27万人を突破しています。
ゲームの運用は管理ツールを利用して行うことが多いため、SQLを直接入力する必要はほとんどありません。しかし、ゲームを運用するうえで、ゲームプランナーがデータベースの概念を理解しておくことにはさまざまなメリットがあります。例えば、トラブルが起きたときに、データベースの知識を持っているのといないのとでは理解度や対応力が大きく異なります。ゲームプログラマーと会話をする際も、データベースの概念が分かるだけでスムーズに話が進むでしょう。Oracle masterはOracle製品に関連した資格ですが、データベース全般の知識を学ぶのに役立つ点が特徴です。Oracle製品を使うわけではなくても、IT業界やゲーム業界で働くなら取得しておきたい資格といえるでしょう。
取得するなら、ゲームプランナーの仕事に役立つ3つの資格
ゲームプランナーの役に立つ資格は「MOS Excelエキスパート」「統計検定3級」「Oracle master Bronze DBA」の3種類です。「基本情報技術者試験」などシステム開発に関わる全体の知識も必要ですが、より業務内容に沿った知識を得るためにこれら3つの資格を学ぶと良いでしょう。資格支援制度がある企業もあるので自分の所属する会社で支援を受けられるか、また、どのような資格が支援対象になっているのかなどを確認してみましょう。